給与計算は従業員の生活にかかわるため、ミスは許されません。しかし、人間が行うことなのでどうしてもミスはつきもの。
ここでは起こりやすいミスとその対処法について解説します。給与計算業務に不安がある方は、下記を参考に対策してみてはいかがでしょうか。
給与計算でよくある③つの間違い
入力・転記ミス
手作業で給与計算を行う場合、勤怠数値の入力ミスや転記ミスなど、ヒューマンエラーによる単純なミスがどうしても発生してしまいます。
残業の集計や日割り計算など複雑な計算がある場合、特にミスが多くなる傾向があります。
また、従業員に扶養人数の変更や異動による住居変更があった場合も要注意です。
通勤手当や家族手当等、従業員ひとりひとり適用される手当や金額が異なるため、就業規則や給与規定をしっかりとチェックする必要があります。
社会保険料に関するミス
社会保険料の改定時期なのに、反映し忘れるミスも多いです。
社会保険料は毎年料率が改定されますし、従業員の給与額が変更になるタイミングで控除する金額が変わることもあります(標準報酬月額の定時決定と随時決定)。
保険料率改定と定時決定はそれぞれ年1回、随時決定は昇給や昇格、手当変更などのタイミングで発生しますので、手続きしたら変更することを忘れないよう注意する必要があります。
また、介護保険料は年齢によって開始や終了のタイミングが決まっているため、間違えやすいポイントとなっています。
介護保険料は40歳以上65歳未満の従業員が対象となりますが、40歳になる誕生日の前日からかかるため、常に確認する必要があります。
従業員が退職した場合の控除のタイミングにも注意が必要です。社会保険料は退職した日の翌日を含む月の前月分までかかるため、月末が退職日の場合や賃金締切日が月末でない場合は、控除するタイミングを間違えないよう注意が必要です。
税金に関するミス
住民税や所得税の金額にも注意が必要です。
住民税は毎年5月くらいに各市町村から届く一覧表に基づき、その年の6月から翌年5月までの金額を控除します。
控除すべきタイミングを忘れず金額の登録をしなければなりません。また、1月~4月に退職した従業員の住民税は、5月分までをまとめて控除する必要がありますので注意が必要です。
所得税については毎月の支給額に応じて変動するほか、従業員の扶養家族の数が変わった場合に金額が変わります。配偶者が就職した、成人したお子様が離職したなど随時のタイミングで変更があるため、都度確認が必要です。さらに、毎年1月には年末調整で申告のあった扶養人数に変更する必要があります。
給料計算のミスへの④つの対処方法
入力ミスをなくすためにはとにかくダブルチェック
勤怠の集計はエクセルなどの自動計算を利用したり、自動計算できる勤怠ソフトの導入などにより、ヒューマンエラーを減らし、ダブルチェックすることが有効です。エクセルを使用する場合は、計算式が崩れていないか計算の都度確認すべきです。
手当項目の変更忘れにはチェックリストを活用
手当の変更については、従業員からの届出に基づき家族手当や住宅手当、通勤手当の変更を行っているようなら、届出リストを作成しましょう。給与計算時にはリストに基づき入力し、ダブルチェックすることで入力忘れによるミスを減らすことができます。
社会保険の間違いはスケジュール管理
毎年決まった時期に料率改定があるので、タイミングを忘れないように年間スケジュールを作成しましょう。
介護保険料(40歳~64歳)の対象者は、1年分の変更時期についてリスト化し、年間スケジュールに反映しておくとよいでしょう。あわせて会社の昇給・昇格時期、人事異動時期についても年間スケジュールに記載し、随時改定のタイミングを逸しないようにしておけば、忘れることなく手続きを行い、給与計算に反映できます。
税率/保険料率変更には給与計算システムの活用
クラウド型の給与システムなら、所得税率や社会保険料率を自動で変更できるものがほとんどです。社会保険料率などの改定時期を登録すると、料率変更した金額を自動で控除してくれます。
算定基礎届や月額変更届の作成もできるシステムなら、作成後のデータを取り込み、標準報酬月額変更後の社会保険料を自動計算してくれます。手入力による作業は大幅に減りますので、入力ミスを減少することができます。
まとめ
給与計算でミスをすることは、絶対に避けなくてはいけません。しかし、人の手が入る以上、ミスを防ぐことは難しいのが現状です。そこで、活用したいのが給与計算システムです。ミスをしやすい計算も、システムが自動で算出してくれます。さらに給与システムに取り込みできる勤怠システムもあわせて導入することにより、勤怠の集計ミスも防ぐことができます。
クラウド型給与計算システムなら、税率や保険料率を自動でアップデートできるため、大幅に給与計算業務が効率化されるだけでなく、ミスの削減にもつながります。
給与計算のミスをなくすためには、まずは原因を突き止め、適切な対処を行うことが大切です。
勤怠データは正確か、担当者の負担が大きくないか、余裕のあるスケジュールで給料計算できるかなど、さまざまな角度から原因を探っていきましょう。
そのうえで、手作業でなくてもできるものは自動化することで、ヒューマンエラーによるミスの防止につながります。
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