せっかく会計ソフトを導入しているなら、その会計ソフトを最大限に活用したいところです。でも会計ソフトだけで完結するのは難しいこと。会計ソフトは伝票入力、経費精算システムは上司への承認ワークフローができるような経費精算業務を行うことがメインのソフトだからです。それぞれの業務に適したソフトを利用することにより業務効率化を行うことができます。
とはいっても、この二つのシステムを連携させることは可能。連携させることにより、さらに業務効率化が図れます。経費精算を紙で行っている会社は導入をご検討いただくことをお勧めします。
会計ソフトとは?
会計ソフトとは、決算書や総勘定元帳などの会計書類を作成する機能を持つソフトのことです。
紙ベースで会計業務を行う場合、出入金などの動きを記載した伝票を仕訳帳や総勘定元帳に転記するなどの作業が必要です。
一方、会計ソフトを導入すると、入力した内容がそのまま会計帳簿に反映されるため転記作業も不要となります。エクセルなどを利用して表をまとめる必要もありません。
クラウド型の会計システムなら、オンラインバンキングから取込が可能。伝票をひとつずつ手入力する必要はありません。
経費精算システムとは?
経費精算システムとは、会社の経費精算業務を効率的に行うための機能を備えたシステムのことです。
従業員が経費を立て替えた場合、会社によって業務フローに多少違いはあるものの、基本的には上司の承認や経理事務への報告、さらに振込処理が必要です。それらの承認や振込の作業を経費精算システムにより行います。
◆◆申請フロー◆◆
1.従業員がシステム上で経費申請 → 2.上司が申請内容を承認 → 3.経理担当者が確認 → 4.精算金を振込
経費精算システムにはさまざまな機能があります。
おススメの機能としては、
- 経費明細の自動取得機能・・・クレジットカードや電子マネーなどと連携し明細を自動取得することができます。
- 経費の分析機能・・・従業員ごと、部門ごとなどで経費の利用額を分析することができます。
- 交通費の自動計算機能・・・通勤経路、出張の経路などから交通費を自動計算することができます。
こうした機能を備えた経費精算システムを導入すると「経費が自動集計されるので電卓が不要になる」「システム内で経費の承認を得られる」「紙での経費申請を廃止できる」など業務効率化を図ることができます。
会計ソフトと経費精算システムの違うところ
■会計ソフト・・・会社の会計業務を効率化するもの。ソフトへの入力業務は経理担当者が行う。
■経費精算システム・・・経費を精算したい従業員が自分で入力。経理担当者は支払いを行うだけで、システムを利用するのは主に従業員とその上司。
つまり、会計ソフトは経理担当者の業務効率化、経費精算システムは従業員とその上司の業務効率化を行うもの。経費精算システムに従業員が入力したデータを、経理担当者が会計ソフトの仕訳データに反映できれば、二重入力がなくなるためさらに効率化が図れるし、手入力が減るためミスを防ぐこともできます。
経費精算システムのデメリット
会計ソフトと経費精算システムを連携するには、両方のソフト・システムを導入する必要があります。
運用コストがかかる
会計ソフトと経費精算システムを連携して運用する場合、それぞれ毎月の利用料が発生します。
ただし、システム連携による業務効率化により、これまでその業務に携わっていた人の業務時間が削減されることを考えると、費用対効果としてはシステムを導入した場合のほうが大きくなります。単純に利用料だけで判断すべきではなく、運用のコストとそれにより削減されるコストの両方を加味して判断する必要があります。
導入コストがかかる
会計ソフトと経費精算システムを連携して利用する場合、各従業員、管理者、経理担当者と多くの人が運用に関わります。
システム導入初期には、初期設定やユーザー登録などの手間に加え、従業員が利用方法に手間取り、時間がかかることがあります。
使用方法に不安があったり、不便に感じる人がいると、システムがうまく稼働しないことも考えられます。
スムーズに導入するために、導入サポートを利用するのもひとつです。
科目連携設定が必要
会計ソフトと経費精算システムのデータを連携させる場合、あらかじめ経費科目(その経費科目を選択したときに、会計に連携する仕訳の科目が何になるか)を設定しておく必要があります。
一度登録すればあとは自動的に正しい会計科目で仕訳が作成されるため、最初と科目が増えるたびに必要な作業です。
事前に経費科目を洗い出しておけば、初期設定を導入サポートに依頼することは可能です。
まとめ
まだ電子帳簿保存法に対応していないなら、対応した経費精算システムを導入し、クラウド型の会計ソフトに連携できれば最大限に業務効率化が図れます。
経費精算システムを選択する際は、電子帳簿保存法への対応も含め、法令に対応したシステムかどうか、法令に対応したアップデートが行われるかどうかしっかり確認することが重要です。
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