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令和6年の住民税の特別徴収は要注意!住民税の定額減税と税額通知方法の変更

給与所得にかかる個人住民税の特別徴収について、令和6年度の通知が5月に届きます。令和6年度の特別徴収は、定額減税が実施されるため、通常とは異なります。

また、住民税の税額通知方法についても、各市町村から会社に通知する方法だけでなく、会社から従業員等に通知する方法についても電子データでできるようになりました。

変更点をよく確認の上、事務手続きを進めていきましょう。

目次

定額減税による令和6年度の特別徴収

定額減税とは

 居住者である合計所得金額1,805万円以下(給与の年収2,000万円以下に相当※)の納税者本人と、居住者である扶養家族(同一生計配偶者+扶養親族)を対象に、次の金額が減税(定額減税)されます。

対象者
1人について
所得税住民税
3万円1万円

※収入が給与のみの場合

個人の住民税は、令和6年度(一部は令和7年度)の措置として、個人住民税の所得割額から控除されることになります。

定額減税の実施時期

令和6年度の個人住民税は、定額減税が反映された令和6年分の納税額が会社に通知されます。会社は記載されている金額を給与から控除して、納付期限までに納付することになります。

ただし、対象となる同一生計配偶者(控除対象配偶者を除きます)に係る定額減税だけは、令和7年度で実施されますので注意が必要です。

給与計算事務

定額減税の対象者に係る令和6年度の特別徴収は、例年の6月ではなく1ヶ月遅い7月からスタートし、翌年5月までの11回の徴収となります。ただし、定額減税対象外の人は例年どおり6月スタートとなります。

とはいっても、定率減税対象外の人は、納税者本人が居住者でない人または合計所得金額1,805万円超(給与の年収2,000万円超に相当)の人と限られていますから、ほとんどの人の特別徴収は7月からスタートとなります。

特別徴収税額通知方法の変更

今まで紙で受け取り、従業員一人一人に配布していた住民税特別徴収税額通知(納税義務者用)について、個人ごとにパスワードが付いた電子データでの受け取れるようになりました。

特別徴収額通知(納税義務者用)の受取と配布

令和6年度分からは、次の条件を満たせば、従業員等へ配付する「個人住民税特別徴収税額通知(納税義務者用)」を電子データで受け取ることができるようになりました。

  • 令和5年分給与支払報告書をeLTAX経由で提出していること
  • 個々の納税義務者に電子的提供ができる体制が整っていること
  • 給与支払報告書を提出する際、電子データでの受け取りを希望していること

今までは各市町村によって様式が違うものを切り離して、部署ごとに分けたり、給料明細書に同封したりしていましたが、電子データで受け取り、そのままデータを交付することができます。

※地方税共同機構「個人住民税の特別徴収税額通知の受取方法が変わります」より

ただし、従業員等へ配布する「個人住民税特別徴収税額通知(納税義務者用)」を会社が受け取る際には、紙(正本)または電子データ(正本)のどちらかになります。会社が電子データで受け取ることを選択した場合、従業員等に配布する方法は電子データのみとなり、紙(正本)で配布することができなくなります。

電子データでの受け取りが難しい従業員等に対しては、給与事務担当者等が印刷して配布する方法が可能です。その場合、次のような秘匿措置を取ることが必要になります。

  • 本人の同意を得て通知書のパスワードを取得する
  • パスワード付ZIPファイルを解凍してPDFファイルを印刷する
  • 印刷した通知書が第三者に閲覧されないように封入する

なお、特別徴収税額通知(納税義務者用)の電子データについては、対応する解凍ソフトが必要になりますので、あらかじめ従業員等に通知しておく必要があります。

特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)の電子データ(副本)は廃止

今までは特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)を紙(正本)を郵送で受け取っていても電子データ(副本)をeLTAXで受け取ることができました。令和6年度からは紙(正本)か電子データ(正本)のいずれかを選択することになります。

※地方税共同機構「個人住民税の特別徴収税額通知の受取方法が変わります」より

この選択は、給与支払報告書を提出する際に選択したいずれかにより受け取ることになります。

まとめ

定額減税は給与計算担当者にとって重要な法改正事項です。同じ時期に所得税と住民税を確認する必要があるため、事務負担が増加することが予想されます。

6~7月は給与計算担当者にとって、繫忙期です。住民税だけでなく、社会保険算定基礎届や労働保険の年度更新業務も行わなければなりません。定額減税により、使用している給与システムも変わるでしょうから、変更のタイミングをみつつ、できることから始めていきましょう。

まずは、定額減税制度の仕組みを理解し、滞りなく業務を進めていきましょう。

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