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財務健全性とは 重要な6つの指標を確認してみよう

財務健全性は、企業や組織が持つ財務状況が安定しており、将来の経済的なリスクに対して強固な状態であることを指します。これは企業の持続可能な成長と発展にとって不可欠な要素であり、投資家や取引先、社員、顧客など関係者にとっても重要な関心事です。

自社の財務における安全性や収益性を正しく知ることにより、問題点の早期発見や改善につなげることができるようになります。これに必要な6つの指標について解説します。

目次

財務健全性とは

財務健全性とは、企業の資金調達の健全性を表す指標です。財務健全性が高いほど、倒産しにくく、会社が長続きしやすくなります。

財務健全性は、財務諸表の負債あるいは資本の構成が安定しているかなどの情報を分析対象とすることによって、継続的な経営ができる状態であるのかを評価します。財務的に安定していれば倒産の危険性が低くなるため、健全性の分析を行うことで、企業にどの程度の倒産リスクがあるのかを評価することができます。

財務健全性分析に必要な⑥つの指標

財務健全性を判断するためには財務比率を確認することが重要です。代表的な指標として次の6つが挙げられます。

流動比率(Current Ratio)

流動比率=流動資産÷流動負債×100

流動比率は、企業の流動資産を流動負債で割った比率です。

  • 流動資産:1年以内にお金にする(換金する、回収する)ことを目的としているもの(現金預金、受取手形、売掛金、棚卸資産など)
  • 流動負債:1年以内に返済しなくてはならないもの(支払手形、買掛金、短期借入金など)

流動比率は業種や業態により異なりますが、目標値は200%以上、最低でも150%以上が望ましいとされています。

気をつけなければいけないのは、不良債権や不良在庫を抱えているケースです。これらは現金化が困難なため、当面の支払いに充てることができないため、流動比率が目標値以上であったとしても、実際の流動比率はもっと低くなります。

流動比率を改善するための一例

  • 固定資産を売却して現金を増やす
  • 増資して資本を増やし、現金を増やす

自己資本比率(Equity Ratio)

自己資本比率=自己資本÷総資産×100

自己資本比率は、企業の純資産(自己資本)を総資産で割った比率です。

自己資本は、返済や償還が必要ない安定した資本といえますので、自己資本比率が高いほど、長期的な安定性が高いといえます。中小企業の平均的な自己資本率は40%程度となっています。

自己資本比率を高めるためには、自己資本を増やし、総資産を減らす必要があります。

自己資本を増やす方法

自己資本をを増やすためには、「利益を上げること」が最優先です。「増資すること」も該当しますが、増資額については中小企業の税務上のメリットを考慮したほうがよいでしょう。

総資産を減らす方法

総資産を減らすためには、在庫や売上債権、固定資産などの事業用資産の見直しを行い、圧縮する方法があります。含み益のある遊休固定資産があれば売却し、その資金で借入金を返済すれば、短期的には自己資本比率が改善します。

中長期的に継続して自己資本比率を高めるには、まずは利益を増やし内部留保を高めることです。それと同時に事業用資産を圧縮していければ効果的といえます。

負債比率(Debt Ratio)

負債比率 = ( 負債 ÷ 純資産(自己資本)) × 100

負債比率は、企業の負債を総資産で割った比率です。

負債は返済期限が到来すれば返済しなければなりません。返済不能に陥れば、企業の倒産にも繋がることが考えられます。一方で、自己資本は資本金や過去に得た利益のうち、配当せずに内部留保した部分から構成されています。つまり、負債比率が低いほど、企業の財務的なリスクが低いことになり、安全性が高くなります。

一般的に、負債比率は100%以下であれば良好と判断されます。ただし、収益性の面から見ると負債比率は高い方がよいとされます。なぜなら、金融機関等で借り入た資金で企業が利益を生み出すことも充分に考えられるからです。

負債比率は、企業の状況などに応じて、安全性や収益性の両面から判断する必要があるといえます。

利益率(Profit Margin)

利益率は、売上高に対する利益の割合を指す指標です。利益率は次の5つに分類されます。

  • 売上高総利益率
  • 売上高営業利益率
  • 売上高経常利益率
  • 売上高税引前当期純利益率
  • 売上高当期純利益

売上高総利益率

売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100

売上高総利益は、売上高に占める売上総利益の割合で、粗利益率とも呼ばれています。売上総利益は粗利とも呼ばれ、「売上高-売上原価(または製造原価)」で算出します。

企業の競争力やブランド力を把握することができます。ただし、景気の影響を受けやすいので、その動向を考慮して判断する必要があります。

売上高営業利益率

売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100

売上高営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合です。営業利益は、「売上総利益-販売費や一般管理費」で算出します。

営業活動の効率や本業の収益力を把握することができます。

売上高経常利益率

売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100

売上高経常利益率は、売上高に占める経常利益の割合です。経常利益は、「営業利益+営業外利益-営業外費用」で算出し、突発的なものは含みません。

財務活動も含めた企業活動の利益がわかるため、財務体質を含めた総合的な収益力を把握することができます。

売上高税引前当期純利益率

売上高税引前当期純利益率=税引前当期純利益÷売上高×100

売上高税引前当期純利益率は、売上高に占める税引前当期純利益の割合です。税引前当期純利益は、法人税等を控除する前の利益の額のことで、「経常利益+特別利益(固定資産の売却等)-特別損失(固定資産の売却損等)」で算出します。

財務活動なども含めた通常の企業活動から、どのくらいの利益が生み出されているのかを把握することができます。

売上高当期純利益率

売上高当期純利益=当期純利益÷売上高×100

売上高当期純利益は、売上高に占める当期純利益の割合です。当期純利益は、「税引前当期純利益-税金(法人税・住民税・事業税など)」で算出します。

当該事業年度における企業全体の最終的な利益から見た収益力を把握することができます。

ROA(Return on Assets)

ROA=利益÷総資産×100

ROAとは総資産利益率のことで、純利益を総資産で割った比率です。

企業が投下した資産を効率的に活用して、どのくらい利益を上げたかのかを示しているので、ROAの数値が高ければ、効率的に利益を生み出している企業といえます。

ただし、一般的には5%が目安とされていますが、業種や保有資産、企業規模などにより数値が異なりますので、業界の平均値などと比較して判断する必要があります。

ROE(Return on Equity)

ROE=当期純利益÷自己資本×100

ROEとは自己資本純利益率のことで、企業の純利益を自己資本で割った比率です。業界によっても異なりますが、一般的には10%以上が理想とされています。

自己資本(株主が出資)をどれだけ効率的に運用して利益を生み出しているかを示していて、株主から見たときの企業の収益性を判断する指標となっています。

ROEが高ければ投資家から優良企業と評価され、投資を集めやすくなるだけでなく、投資家以外からの評価にも繋がります。

財務健全性分析に必要な④つの要素

資金調達の方法と条件

財務健全な企業は、適切な金利や返済条件で資金を調達し、負債を適切に管理しています。

無理な投資をしないよう管理がしっかりできていれば倒産リスクも低くなります。

財務報告

企業が公表する財務諸表や監査報告書は、財務健全性を判断するための重要な情報源です。

正確な帳簿、勘定記録の作成・維持を行うのはもちろん、重要情報の公開を通じて透明性の高い正確な財務諸表であれば充分な判断材料となります。

現金流量

十分な現金流量があれば、企業は将来の経営上の課題に対処するためのリソースを確保できます。一般的に月商の3ヶ月分の現金を持っていると安全性が高いとみなされます。

産業の状況と将来展望

企業の財務健全性は、その産業や市場の状況にも影響されます。産業の成長率や競争状況、規制などを考慮することが重要です。

まとめ

資金の調達と運用のバランスが取れていれば財務的に安全であるといえます。これを評価するのが財務健全性分析です。

複数の指標を組み合わせることで企業の実態がつかめてきます。適切な改善措置を講じるためにもまずは自社の財務健全性分析をしてみてはいかがでしょうか。。

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