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経理部門を効率化!ペーパーレス化の進め方

経理部門では、請求書や領収書など、さまざまな紙書類が作成されています。このような紙の利用を削減するため、紙書類を電子データに変換する取り組みをペーパーレス化といいます。

中小企業では、ペーパーレス化が遅れていることも多く、非効率になっているケースも多くみられます。

経理部門の効率化を図るためにも、経理部門のペーパーレス化を進めて、業務改善しましょう。

目次

経理業務のペーパーレス化が進む背景

経理業務は紙ベースで取り扱うことが基本でしたが、ペーパーレス化している会社が増加しています。

その理由については、次のような要因があります。

電子帳簿保存法の改正

2022年1月に改正された電子帳簿保存法では、会計帳簿や国税関係帳簿書類の全部または一部を電子データで保存することが認められています

経理部門ではこれまで法律が妨げとなってペーパーレス化が進めにくく、3万円以上の領収書や契約書は電子データでの保存が認められていませんでした。

法改正を機に経理部門のペーパーレス化を進める会社が増加しています。

リモートワークなど働き方の変更

コロナ禍によりテレワークの導入が推進された際、経理部門でのデジタル化は遅れていたことにより、リモートワークができなかった会社も、ペーパーレス化によってリモートワークが可能になりました。

また、働き方改革により労働時間の管理が徹底され、業務効率化するためにペーパーレス化を導入する会社も増加しています。

経理部門をペーパーレス化するメリットとは

経理業務をペーパーレス化するメリットは次の4つが挙げられます。

  • コストの削減
  • 業務の効率化
  • セキュリティ対策

コストの削減

経理部門をペーパーレス化すると、次のようなコストの削減が期待できます。

  • 用紙代
  • プリンタ関連コスト(印刷代、トナー代)
  • 封筒や切手などの郵送料
  • 書類廃棄費用
  • 保管スペース費用

ペーパーレス化すれば、サーバーやクラウド上で保管が可能になります。

業務の効率化

経理部門をペーパーレス化することにより、書類の整理、郵送、検索、廃棄にかかる手間がなくなり、業務効率化が図れます。

取引先とデータでやりとりすることにより、発行した請求書などはすぐ確認できますし、専用システムを導入すれば、データ化した請求書を振込処理に使用したり、自動仕訳することも可能です。

セキュリティ対策

紙ベースの書類より、電子化した方がセキュリティ対策が講じやすいこともメリットです。

紙ベースペーパーレス化
情報漏洩持出しや閲覧ルールを徹底する必要がある担当者ごとにアクセス権限や閲覧制限を設ける
書類消失紛失、盗難、劣化、破損のリスクがあるサーバーのトラブルやパソコンが故障した場合でも、クラウド上のバックアップから復元が可能

電子化していれば、紛失や置忘れなどの人的リスクが減少し、安全に文書を取り扱うことができます。

経理部門のペーパーレス化の進め方

経理部門のペーパーレス化を検討する際の具体的なステップは次のとおりです。

  1. 目的を明確化しましょう
  2. 対象とする紙媒体を決めましょう
  3. 利用するツールやシステムを決めましょう
  4. 業務フロー、運用ルールを決めましょう

目的を明確化しましょう

ペーパーレス化は、業務効率化の一環です。この取り組みの目的を明確にしておかなければ、従業員の理解が得られず、業務効率化の効果が限定的になったり、紙ベースに逆戻りする可能性があります。

具体的な目的としては、コストを削減する、業務効率化を進める、電子帳簿保存法に対応する、セキュリティ対策をするなどが考えられます。

対象とする紙媒体を決めましょう

一度にすべての書類をペーパーレス化せず、ペーパーレス化しやすい書類を分類し、対象の紙媒体を決めていきます。

ペーパーレス化に慣れてきたら、少しずつ範囲を広げていくとペーパーレス化に取り組みやすいですし、従業員の不満や不安を軽減しやすくなります。

業務効率化のためにペーパーレス化するのですから、ペーパーレス化に伴って作業過多にならないよう確認していくことが重要です。

利用するツールやシステムを決めましょう

目的に合わせたツールやシステムを選定します。選定する際の注意点としては、次の5つがあります。

  • 必要な機能があるもの
  • 従業員が使いやすいもの
  • 電子帳簿保存法に対応したもの
  • コストが適切なもの
  • 既存のシステムと連携できるもの

業務効率化に見合う導入コストになっているかについてよく検討する必要があります。

業務フロー、運用ルールを決めましょう

ツールやシステムの選定と同時に、業務フローを構築しておく必要があります。自社が希望する業務フローに見合ったツールやシステムを導入しないと、従業員が混乱し、稼働することができなくなってしまいます。

また運用ルールについてもあらかじめ従業員に共有し、必要に応じて改善していきましょう。

ペーパーレス化を成功させるには

ペーパーレス化はしようとしても、実際なかなか進まないものです。まずは次のような面を考慮しながら進めてみることを検討しましょう。

取り組みやすい一部の業務からスタートする

まずはスモールスタートで試験的に始めてみましょう。やりやすい部分だけ始めることにより、従業員の負担や混乱も少なくなりますし、新しい業務フローに慣れることができます

従業員がペーパーレス化のメリットを実感できれば、徐々にペーパーレス化を進めていくことができます。

従業員の負担が少なくなるようにして理解を得る

ペーパーレス化について、従業員の理解を得ることができないと、思うように進まなくなってしまいます。

メリットを説明するだけでなく、従業員の意見を聞いたり、業務負担の少ないツールやシステムを導入することで、協力してもらえるよう促しましょう。

ツールやシステムについては、導入支援を受けることも検討するとよいでしょう。

新しい取り組みをスタートする際は、どうしても従業員に負担がかかってしまうことがありますが、少しでも不満を解消することで、成功しやすくなります。

アウトソーシング会社に委託する

ペーパーレス化するための自社に見合ったツールやシステムを、アウトソーシング会社と一緒に選択し、導入サポートしてもらうことができます。

また、経理部門をアウトソーシングすることにより、自社で管理せず、プロに保存を代行してもらうことも可能です。

アウトソーシング会社と相談しながら進めてくことで、従業員の不満や不安を軽減できます。

まとめ

経理業務のペーパーレス化は、業務効率化や、セキュリティ強化など、多くのメリットがありますが、業務フローが定着するまでに想定外の時間がかかることも考えられます。

まずは目的を明確にし、従業員の負担が少ない進め方をするなど不満や不安を少しでも解消し、協力を得ながら徐々に進めていけることができれば成功しやすいといえます。

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