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インボイス制度で立替精算するポイントとは<少額特例対象事業者>

インボイス制度が始まり、スタッフが立替金清算時に提出する領収書等のルールが変わっています。

経理処理が困らないようにスタッフに立替精算をしてもらうためには、スタッフにインボイスの知識をつけてもらうことが重要となってきます。少なくともスタッフに覚えておいてもらいたいインボイスのポイントについて解説します。

目次

インボイスとは

インボイスとは「適格請求書」のことです。

インボイスは会社が消費税の処理をするのに重要な書類です。会社はこれをきちんと確認しないと消費税を余分に支払わなければいけなくなります。

そのため経理担当者は、スタッフに立替精算の際にはインボイスを必ず提出するようにお願いすることになります。

ただし、実際に立替精算するのは、次に紹介する簡易インボイスとなることが多くなりそうです。

簡易インボイスとは

簡易インボイスとは「適格簡易請求書」のこと。インボイスよりも簡略化した記載が認めらたインボイスをいいます。

例えば、飲食店や小売店(スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど)では「レシート」や「領収書」は発行されますが、基本的に「請求書」は発行されません。しかしインボイス制度上、適格簡易請求書として必要な事項が記載されていれば、レシートや領収書であっても簡易インボイス(適格簡易請求書)として扱うことができます。

簡易インボイスが発行できるのは

簡易インボイスを交付できる事業は次の7つに限定されています。

  • 小売業
  • 飲食店業
  • 写真業
  • 旅行業
  • タクシー業
  • 駐車場業(不特定かつ多数の者に対するもののみ)
  • その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業

今までの領収書等とインボイスの違い

今までもらっていた領収書などとインボイスには次のような違いがあります。

インボイスには登録番号の記載がある

インボイスはインボイスとなる条件を満たした領収書や請求書等のことです。

もらった領収書がインボイスであるかどうかわからないときは、その領収書などに

登録番号が記載されているかどうか

により確認することができます。インボイスには必ず発行した事業者の登録番号が記載されています。つまり、登録番号の記載がなければインボイスではないということがわかります。

登録番号は大文字Tに13桁の数字ですから、これが記載されていなければインボイスの登録番号をもっていない事業者と判断するしかありません。

インボイスが発行できる事業者とは

インボイスを発行できるのは、登録番号を持っている事業者だけです。事業者は事前に税務署に申請し、登録番号を発行してもらうことによってインボイス登録事業者になることができます。

つまり、税務署に申請せず、インボイス登録事業者の手続きをしていない事業者は、インボイスを発行できません。会社としては、受け取った領収書がインボイスであることが望ましいですが、それができない場合もあります。

主に個人との取引しかないような事業者や特に規模の小さい事業者などは、インボイスの登録をしないことを選択していることがあります。ここで受け取る領収書等はインボイスではないため、従来どおりの領収書などにより立替精算をする必要があります。

インボイスとなるための条件

インボイスには、原則として、次のすべての事項が記載されている必要があります。

 インボイス簡易インボイス
1インボイス発行事業者の名前と登録番号簡易インボイス発行事業者の名前と登録番号
2取引年月日取引年月日
3取引の内容取引の内容
4税率ごとに区分した合計額(税抜または税込)および適用税率税率ごとに区分した合計額(税抜または税込)
5税率ごとに区分した消費税額等税率ごとに区分した消費税額等または適用税率
6インボイスを受け取った事業者の名前記載不要

インボイスが不要なケースは

少額特例対象事業者の場合は、1万円未満の支払いならインボイスは不要です。ただし令和11年9月までの特例となります。

これ以外にも次のような支払ではインボイスは不要です。ただし、立替精算の際にインボイスの提出に代えて支払先、支払年月日、金額などを記載した立替金精算書を提出してもらう必要があります。

【例】

  • 公共交通機関(鉄道・バス・船舶)の運賃(3万円未満)
  • 通勤手当、出張旅費(通常必要と認められるもの)
  • 自動販売機で購入した飲食料品(3万円未満)

まとめ

出張の際や現場で経費を立て替えることはよくあるケースです。インボイス制度が開始されたことにより、実際にお店で支払う人が理解をしていないと、もらった領収書ではスムーズに精算できないかもしれません。

まずは経理業務が滞らないように、経理担当者が制度についてしっかり理解した上で、スタッフにインボイスが必要な旨をきちんと説明することが重要です。

また、少額特例があるからといって、1万円未満の領収書を確認せずに処理していると、令和11年9月の特例が終わった後に処理に手間取ってしまいます。

少額特例が終わる前に、インボイスが発行できない事業者との取引をどうするか、スタッフが立て替えず会社が事業者に直接支払うことはできないか、などさまざまな面から検討し、ルール化していくことが必要になります。

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