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その働き方、偽装フリーランスになっていませんか?注意すべきポイントを確認!

2023年夏の総務省の発表によると、基幹統計としてのフリーランス人口は257万人で、派遣社員149万人を上回り、フリーランスという働き方が拡大しています。

こうした環境の変化を受け、フリーランスの労働環境保護を目的としたフリーランス新法が2024年11月から施行されます。

フリーランスと取引している事業者は、フリーランスとの契約について正しく理解し、偽装フリーランスになっていないかチェックしてみましょう。

目次

フリーランスとは

フリーランスとは、特定の企業や団体、組織に所属せず、独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人のことです。

フリーランスは取引先と業務委託契約を締結し、委託された業務を履行することにより収入を得ます。

しかし、フリーランスであっても、業務委託で受注しているのに、労働者と同様に会社の指示で働いているケースが見られます。これがいわゆる偽装フリーランスです。

フリーランスと労働者の違い

フリーランスと労働者の違いをまとめると次のとおりです。

区分フリーランス労働者
契約方法業務委託契約雇用契約
関連法独占禁止法、下請法、フリーランス・事業者間取引適正化等法など労働基準法、労働契約法、労働者災害補償保険法、最低賃金法など
指揮監督発注者の指揮監督不可会社の指揮監督可能
就業規則の適用適用されない適用される

フリーランスが締結する業務委託契約とは、自社の業務の一部を、専門性や経験を持つ外部の個人に委託し、契約遂行に対する対価を支払う契約です。契約は主従関係ではなく、事業者同士の対等な取引関係であり、発注者は指揮監督を行うことができません

※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「偽装フリーランス防止のための手引き」より

一方、労働者は雇用契約を締結します。就業規則や労働条件通知書等で定められた条件で労働し、「労働者」と「使用者」という主従関係が発生し、指揮監督を行います

※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「偽装フリーランス防止のための手引き」より

偽装フリーランスとみなされるケース

偽装フリーランスとは一般的には、「実態は雇用契約(労働者)であるのに、表面上は業務委託契約(フリーランス)になっている状態」のことをいいます。

つまり、契約の形式や名称にかかわらず、「労働者性」が認められるかどうかにより判断されます。

「労働者性」の判断基準

指揮監督下の労働になっていないか

フリーランスが発注者の指揮監督下により業務を行っている場合は偽装フリーランスとみなされる可能性があります。

発注者の指揮監督下になっていないか判断するポイントは、次の4つです。

  • 仕事の依頼、業務に従事すべき旨の指示等に対する諾否の自由
  • 業務内容や遂行方法についての指揮監督の有無
  • 勤務場所や勤務時間が指定されたり管理されるなど拘束性の有無
  • 受注者以外が労務を提供するなど代替性の有無

労働者と同様にタイムカードの打刻を求めたり、マニュアルどおりの手順で業務を遂行するように指導したりすることなどは、偽装フリーランスとみなされる可能性があるので注意が必要です。

報酬の労務対償性があるか

労務提供した時間に対する対価として報酬を管理し支払っている場合は、偽装フリーランスとみなされる可能性があります。

フリーランスには、契約遂行に対する対価として報酬を管理し、支払うことが必要です。

労働者と同様に、時間単価で報酬を支払ったり、深夜手当などのように時間帯によって割増で支払をすると、偽装フリーランスとみなされる可能性がありますので注意が必要です。

事業者性はあるか

フリーランスは事業者です。事業者性が弱ければ偽装フリーランスとみなされる可能性があります。

仕事に必要な機械や器具等をフリーランスが自ら揃えて使用している場合は、事業者性が高くなります。逆に、発注者がすべて貸与する場合は、労働者性が高くなり、偽装フリーランスとみなされることも考えられます。

報酬についても、同種の業務に従事する労働者より著しく高額であれば、専門性が高い業務と判断されたり、事業者としてのリスクや社会保険料負担などが考慮され、事業者性は高くなるといえます。

専属性が高すぎないか

フリーランスとの独占契約は、専属性が高くなり、偽装フリーランスとみなされる可能性があります。また、受注制限をしたり、時間的に他の事業者から業務を受けることができない状態にすることについても、労働者性が高くなるといえます。

従業員と同じ扱いになっていないか

従業員に適用している就業規則や服務規程の遵守を求めたり、従業員と同じシステムや管理手法で給与明細を発行するなど、従業員と同じルールやシステムを適用している場合は、労働者性の判断において補強する要素となる可能性があります。

偽装フリーランスになっていないかチェックしてみよう

発注者はフリーランスと契約する前に、次の事項をチェックしましょう。

※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「偽装フリーランス防止のための手引き」より

まとめ

人材採用難がより深刻な状況になっている現在、特に高い専門性や知見、スキルをもつ人材獲得の切り札として、企業におけるフリーランス活用への期待も高まってきています。

労働基準法の適用を受けないフリーランスと安易に契約してしまい、労働者と同様に取り扱ってしまえば、偽装フリーランスとみなされ、労働基準法違反となりかねません。

2024年11月から施行されるフリーランスと新法だけでなく、フリーランスとの契約ルールについてもきちんと理解し、適切にフリーランスを活用していきましょう。

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